音楽が好きという感情

が、わからない。

突然ですが、私の音楽歴…

・4歳~20歳までピアノを習う。その後も遊びでたまに雑に弾いたりしていた。2021年の3月から本格的に再開。

・大学生の頃は合唱サークルに入っていた。今からでも社会人合唱サークルに入りたいが、大学で同じサークルだった人と会いそうで躊躇。(合唱は好きだが人間関係には苦い思い出しかない)

・2011年からDTMを始め、今まで200曲ぐらい作曲した。同人CD作って売ったりしていた。(一応今もやってる)

これだけ見ると周りからは「音楽が好きなんだな」という印象を抱かれると思う。

が、自分が音楽が好きか?と言われると、別に好きじゃないなと思う。「音楽が好き」だと自称している人たちのような熱量を音楽に対して持っていないと思う。

・ピアノを弾く行為が好き。練習して弾けるようになっていくという過程が好き。

・合唱で綺麗にハモった歌声がホールに響き渡る感じが好き。

・自分の作品を作ってどこかに(ネット上とかに)飾って並べておくのが好き。ギャラリーみたいな。老後は孫ではなく自分の作品に囲まれて過ごしたい。

といった具合に、それぞれ単体で見ればそれぞれ音楽とは全然違うところに魅力を感じている。

だから、音楽が好きだからピアノを弾く…とか音楽が好きだから作曲する…とか、そういうわけではない。

そもそも、「音楽が好き」という言葉はどう解釈したら良いのだろうか?

例えば私はドビュッシーのベルガマスク組曲やシベリウスのフィンランディアを「いい曲だな」と思う。GRAPEVINEの「Darlin’ from hell」を「いい曲だな」と思う。だから私はこれらの曲が好きなのだと思う。

でもそれはこれらの特定の曲を単体で好きなだけであって、音楽なら何でもいいわけじゃない。ギターのうるさい曲は不快だなと思うし、レゲエとかヒップホップとかは聴いたこともなく、聴こうと思ったこともない。(好きな人いたらすみませんね。でもクラシックはつまらないとか眠くなるとか言われるしお互い様ですね)

ピアノブログだから音楽の話をしたけど、何も音楽だけに限らず、「アニメが好き」とか「漫画が好き」「ゲームが好き」「食べることが好き」などもよくわからない。

私はポケモンや名探偵コナンをアマプラで好んで見るけど、他のアニメは見ない。そんな私はアニメが好きなのか?

日曜日の夕食時だけサザエさんを見る家庭はアニメが好きなのか?

RPGやシミュレーションゲームはやるけどアクションやFPSは興味のない私はゲームが好きなのか?

パスタを食べることは好きだが苦手な貝類を食べるのは嫌だと思う私は食べることが好きなのか?

一度知人に「アニメが好きってよく言うけどどういうことなのかわからない」という話をしてみたところ、返ってきた答えは、

「アニメが好きな人はとりあえずやってるアニメは全部チェックして、その中から継続して見たいアニメを選ぶんじゃないかな?」

だった。確かに、その行動は「アニメが好きな人」っぽい。

つまり、「個人的な好みはあれど、まず一度そのジャンルを広く見渡してから、普段接したいと思う作品を厳選する」というのが「好き」ということだろうか。

だったらレゲエやヒップホップを「聴いてみよう」とすら思わない私は音楽好きじゃないし、アクションやFPSをやってみたいと思わない私はゲーム好きじゃないし、ポケモンと名探偵コナン以外のアニメを探そうとしない私はアニメ好きじゃないという結論になる。

ピアノの先生やクラシック愛好家の中には「クラシック以外の曲は聴かない」という人もそれなりにいると思う。そういう人たちは「音楽が好きではない」ということになる。(すべての音楽を聴いた上でクラシック以外は聴かないという選択をした人を除く)

でも現在放送しているアニメをすべてチェックするのと、現在存在している音楽をすべてチェックするのでは母数が違いすぎるのではないか。現在存在している音楽のすべてを聴いた上で自分が今後も聴いていきたい音楽を選ぶのでないと「音楽が好き」といえないのであれば、音楽が好きだといえる人などこの世にいないのではないか。

あるいは、表現方法として「音楽が好き」という意味なのだろうか?という説を考えた。(今思いついた)

例えばAという主張があったとして、それを表現する方法にはいくつかある。論文、小説、絵、漫画、演説、音楽、映像…等。その数ある表現方法の中で「音楽で表現されたAという主張が一番納得できる」と思う人が「音楽が好き」と言っているのではないか?と。「私は悲しい」と文章で言われるより、悲しそうな絵を描かれるより、悲しげなメロディーを聴くことで一番悲しみを感じることができる人が「音楽が好き」ということなのではないだろうか。

そう考えると、「アニメが好き」は「この世に存在しているアニメがすべて好き」という意味ではなく、「実写や漫画やボイスドラマという表現よりもアニメーションという表現で描かれた作品を好んで見る」という意味になり、割としっくりくる。

では、ここで最初に立ち返って…

・4歳~20歳までピアノを習う。その後も遊びでたまに雑に弾いたりしていた。2021年の3月から本格的に再開。
⇒ヴァイオリンやフルートやギターやドラムなど他の楽器と対比してピアノを弾くのが好き。何かと対比して音楽が好きというわけではない。

・大学生の頃は合唱サークルに入っていた。今からでも社会人合唱サークルに入りたいが、大学で同じサークルだった人と会いそうで躊躇。(合唱は好きだが人間関係には苦い思い出しかない)
⇒ボーカルの独唱と対比して合唱が好き。音楽が好きという結論には至らない。

・2011年からDTMを始め、今まで200曲ぐらい作曲した。同人CD作って売ったりしていた。(一応今もやってる)
⇒コンテンツを消費することと対比して作るのが好き。音楽に限らず小説書いたりゲーム作るのも好きだから別に音楽である必要はない。つまり音楽が好きという結論にはry

結局「音楽が好き」という結論には至らないじゃんか!!!!それにやっぱり、ごちゃごちゃ理屈を抜きにしても感覚として自分が「音楽が好き」ではないなと感じる。第一に好んで音楽を聴くということをしない。勉強のためにピアノ演奏動画を見ることはあっても音楽を聴くこと自体を目的に音楽を聴こうとすることはない。音楽は音を楽しむのではなくて私にとっては「音学」、勉強の対象だと思っている。

まあなんでこんなことを書き始めたかというと、ピアノの先生のブログや、子供にピアノをさせたい親の意見などを見てると、「音楽を好きになってほしい」というようなことがよく書かれているんですよね。でも「ピアノを好きになってほしい」や「クラシックを好きになってほしい」ならわかるけどなんでピアノを習うことが音楽を好きになることに繋がるんだろう?って疑問に思ってモヤモヤして、そのうち「音楽が好きってなんだ??」って思い始めて迷宮入りしてしまった。

今このブログを書いていて「数ある表現方法の中で音楽という表現方法が一番好きであること」を「音楽が好き」という説を考えついて、ある程度自分なりに納得した。

つまり、ピアノを弾くということは作曲家が楽曲にこめた思いを表現するということ。ピアノを習うことで、ベートーヴェンが「悲しい」と思ったことについて「ベートーヴェンはこのとき悲しいと思ったんだよ」と文章で伝えるのではなく、楽曲を弾いて伝えることに楽しみを見出せるようになる。つまり、音楽で表現することが楽しいと思うようになる。=音楽が好きになる。

ということなのだろうか。

なんか、納得できるような。できないような。少し前に標題音楽と絶対音楽の記事を書いたけど、じゃあ感情の乗ってない絶対音楽を弾く人はどうなんだろう?ショパンとか別に何かの感情を曲に乗せたわけじゃないですよね。(ショパンに詳しくないので違っていたらすみません)

それこそ音楽で表現するなら習わせるのはピアノじゃなくてもヴァイオリンでもギターでもいいのにあえてピアノを選ぶっていうことは「表現方法として音楽を選んでいる」んじゃなくて「表現方法としてピアノを選んでいる」の方が適切で、それならやはり「音楽が好き」ではなく「ピアノが好き」となるのではないだろうか。

音楽が好きって何だろう?

そもそもの話なのだが「この曲をいいなと思う」と「この曲が好き」は同じことなのだろうか?「パスタを美味しいと思う」と「パスタが好き」は同じこと?そもそも「好き」ってなんだ?私は確かにパスタを食べて美味しいと思うけどそれが「パスタが好き」ということになるのか?ピアノの音色が綺麗だと思うけどそれは「ピアノの音色が好き」と一致するのだろうか?綺麗だと思っているだけで、好きとはまた異なるのではないか?

音楽が好きって何だろう?

最初に戻る。

こんな思春期みたいなしょうもない長文をここまで読んでくださった方に、感謝。

こんな長文を書いておきながらあれですが、別に「音楽が好きになれない…辛い…」って真剣に悩んでるわけじゃないです。特定の何かではなくて大きなカテゴリーを好きだと思う感情は一体どういうものなのだろうかと分析してみたかっただけです。就活とかで聞かれる「あなたの強みは何ですか?」って質問と同じ。例えば「コツコツ地道に頑張れることです」って思ったとしても、勉強や事務作業やピアノの練習はコツコツ頑張れるかもしれない。でも「ここにある1000個の地雷を除去してください。地道な努力ができるならできるよね?」って言われたらそんなの頑張れないし嫌だって思う。逆に自分は努力が嫌いだって思ってる人だって受験勉強は真面目にやるでしょう。「コツコツ地道に頑張れるかどうか」はそのときの状況や内容次第で、それは「自分の強み」という大きなカテゴリーに当てはめられるものではないと私は思っているから、逆に大きなカテゴリーに対して「これだ」と断定できる人はどういう過程を経てそれが可能なのか知りたい、というわけです。

また長くなりそうな予感がしてきたのでいい加減このあたりでやめておきます。

カテゴリが「練習あれこれ」になってるけど全然練習あれこれじゃないですね。ブログのカテゴリ分け、どういうのが良いのかいまいちわからない。

※ちなみに検索したら同じように思ってる人がいました。
https://q.hatena.ne.jp/1304670721

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